研究内容

 テラへルツ波は、周波数が約100GHzから10THz、波長に換算すると30umから3mmの電磁波を指します。ちょうど電波と可視光の中間に位置しています。

 
 
 
 テラへルツ波は、電波のように様々な物を透過することができます。これを利用して様々なサンプルの情報をスペクトルとして得ることができます。また光のようにミラーやレンズを使って、反射させたり集光させたりすることもできるので、様々なサンプルをイメージングすることができます。これにより、例えば半導体の中の欠陥や回路の断線などを見つけたり、生体組織や溶液などのバイオサンプルの評価に利用できるとされています。このようなことを非侵襲で安全にできるので、様々な分野への応用が期待されています。

 


 一方で、テラへルツ波は低出力で、感度もとても悪く、装置も大がかりになるため、実用的なシステムやセンサーの開発が普及していません。この問題解決に向けて、本研究室では、光からテラへルツ波への波長変換プロセスで生成する、微小で高密度なテラへルツ波の点光源を使った研究を行っています。これを利用して、高感度でコンパクトなテラへルツシステム・センサーの開発に取り組んでいます。以下に研究内容を紹介しています。

 我々の目標は、テラへルツ技術をもっと身近に扱える社会作りに貢献することです。多くの人たちが、テラヘルツという言葉をもっと身近に感じられるよう、どういったことができるのかアピールしていきたいと考えています。


1.テラへルツ光源開発

フェムト秒レーザー(光)からテラへルツ波への波長変換で生成する、微小で高密度なテラへルツ波の点光源の開発を行っています。マイクロメートルオーダーのとても小さなテラへルツ波光源を作ることができます。

 

2.テラへルツバイオ応用

テラへルツ周波数領域には、他の電磁波では観測できない生体高分子の回転運動や分子間振動などが観測できます。これらは生体内で起こる様々な機能発現に深く関わっているとされており、高性能なシステム・センサー開発が重要です。

本研究室では、細胞など小さな物質を調べることができる新しいタイプのテラへルツ顕微鏡や、微量溶液を高感度でセンシングできるバイオケミカルセンサーを使い、テラへルツ領域におけるの分子情報の取得と、テラへルツバイオ研究のための応用事例抽出に取り組んでいます。

 


3.半導体評価

半導体材料、半導体デバイス、LSIなどの欠陥の非破壊検査への応用や、特性評価に関する研究を行っています。九州では半導体産業がホットトピックで、その発展にテラへルツ技術を推進しています。

 


4.テラへルツ集積システム

準備中